
新たなEV元年──。2026年、日本国内の自動車市場はEVの新型車両で賑わいを見せる。 とりわけ動きを加速させているのは軽EVと商用物流車の両カテゴリーで、 軽EVはかつてない戦国市場の様相を呈することが必至の状勢だ。
本誌55~60頁にBYD Auto Japanの東福寺社長のインタビュー記事を掲載させていただいたが、 BYDは間違いなく2026新EV競争の火付け役的存在になる。 同社は今夏、満を持して軽EV「RACCO(ラッコ)」を日本市場に投入する。 価格、販売目標台数など詳細は未発表だが、 日本市場に特化した「RACCO」はBYDが放つ入魂の勝負モデルだ。 他モデルと較べて利益幅の薄い軽EVを海外メーカーが手掛けるのは異例のことだが、 それだけBYDが日本市場戦略に本腰を入れてきたと見るべきだろう。
もちろん、日本メーカーにとっても日本市場の約4割を占める軽自動車は死守すべきカテゴリーで、 軽EV市場で遅れを取ることは許されない。 軽自動車の王者・スズキは、昨年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデル「ビジョンe-Sky」を強力プッシュし、 一歩も引かない構えを見せつけた。 同社が注力する軽EVの新車攻勢に注目が集まることは必至だ。
軽EVと言えば、日産自動車も人気車種の「サクラ」を主力として主導権争いを演じる構えで、 日常生活への「サクラ」浸透に全力を傾注する。
ホンダは昨年9月に軽EVの「N-ONE e:」を発売しており、同モデルの販売に注力中だ。 「N-ONE e:」は2グレード展開で、シェアアップをはかっていく。 三菱自動車工業は「ekクロス」「ミニキャブEV」をラインアップし、販路拡大に注力する。 ダイハツ工業も軽バンEVでEV市場への参戦を期す。
王者トヨタはBEV、HEV、PHEV、FCEVといった多様な車種供給に努めるマルチパスウェイ戦略を標榜しているが、 2025年ジャパンモビリティショーではEV・プラグインハイブリッド仕様の「カローラ」コンセプトモデルを披露し、 注目を集めた。 軽EVではないが、同試作車はトヨタが水面下でEVシフトへの備えを強化・拡充していることを端的に物語っていた。
2026インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤーを受賞したPV5カーゴをプッシュするKia PBVジャパン、 商品ラインアップを拡充したヒョンデ(Hyundai)の動向も注視したい。
いずれにせよ、軽EV戦線の活性化がEV市場を刺激し、EV本格普及の導火線となることを期待したい。
電動バイク、電動アシスト自転車も多彩なラインアップ
また、2026年は電動バイク市場の動向も注目点だ。 50cc以下の原付バイクは二輪車排出ガス規制によって昨年10月をもって生産終了となっており、 それに替わる製品として電動バイクの存在がクローズアップされている。 日常生活の足として電動バイクへの注目度が高まっていくはずで、バイクメーカーは電動モデルのラインアップ拡充を期している。
電動モデルと言えば、電動アシスト自転車も確固たる市民権を得ており、 電動アシスト三輪車、特定小型原付電動自転車も含めて多彩な商品が市場に投下されていくだろう。 自転車に関しては今年4月から青切符制度が導入される。 同制度は自転車の無謀運転・ルール無視を取り締まるもので、その動向も注目されるところだ。
2026年はカテゴリーを問わず、電動モデルが市場を賑わすことは必至。 新たな電動車元年と言うべき戦国市場が形成されることになりそうだ。
(本誌・高木賢)
日本国内のEVシフトはいまだ広がりを欠いているのが実情だが、 その中にあってにわかにEV化の動きが台頭している注目のカテゴリーがある。 商用物流車と軽自動車の世界である。
CO2削減、燃費の低減化、先進的な安全機能、振動・騒音が少ない快適走行の実現、非常時の電源確保、 車両本体・充電設備への補助金導入、自動運転システムへの布石などEVシフトを後押しする諸要素に加え、 ドライバーの時間外労働を制約した2024年問題も物流車のEV化を加速させた見逃せないファクターになっている。
物流事業者にとって管轄する車両のEVシフトは事業継続性、経済合理性の上からも重視せざるを得ない選択肢と言えるだろう。 管轄車両のEV化は運行管理・車両管理の強化・拡充をもたらすもので、 ドライバーの位置確認、運転状況、充電状態などを容易に把握できることは ランニングコストの削減とともに大きなメリットになるはずだ。
車両のEV化によるコネクテッドデータの活用は、 AI導入を含めてさらに進化・進展していくことは間違いない。 商用物流車のEVシフトはエネルギーイノベーションを端的に象徴するものであり、 その背景にあるのはソフトとハードを包括した産業・経済活動の構造転換だ。
ともかくも2026年は商用物流車のEVシフトが進展し、 物流のビジネスシーンが様変わりしていく節目の年になる可能性は充分だ。 進化と変革の2026年。 物流業界には新たな動き、試みを加速させる新車両・魅力システムが相次いで投入されることは間違いない。 EVシフトによる物流新時代のトビラは、さらに大きく開かれていくはずだ。
<本文は雑誌に掲載>
三菱ふそうトラック・バス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:カール・デッペン)が 国内初の量産型EVトラック「eCanter」を初めて世に出したのは2017年。 それは物流車EV 革命の第一歩であった。 以来、さまざまなニーズに対応するべく改善を重ね、 安全・快適走行の最新機能を搭載した現在の「第3世代eCanter」が誕生した。
今回のインタビューに対応していただいた同社国内販売・カスタマーサービス本部の窪野快主任は明言する。 「EVトラックメーカーの先駆者としてニーズの高い製品を造り込んでいくことは私達の使命です」。 「eCanter」のさらなる進化に期待したい。
<本文は雑誌に掲載>
2026年春からPV5カーゴ、 PV5パッセンジャーを販売開始
2025年4月、Kia PBVジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田島靖也)は Kia Corporation(本社:韓国ソウル市、代表取締役社長:ソン・ホソン)が開発した EVバン、PBV(Platform Beyond Vehicle)を販売する日本総代理店として設立された。
Kia PBVジャパンは自動車、航空機、インフラ、エネルギー、金属資源など多彩なビジネスをグローバルに展開している 総合商社•双日(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:植村幸祐)の100%子会社で、 同社は双日グループのビジョンである「サステナビリティ•チャレンジ」の下、 新たなEVビジネスに全力投球していく。
Kiaが開発したPBVは先進的機能と洗練されたデザインで高い評価を受けているが、 PV5カーゴがアジアメーカーとして初の「インターナショナル•バン•オブ•ザ•イヤー」を受賞したのはその象徴と言えるだろう。 2026年春からPV5を販売するKia PBVジャパンの動向が注目される。田島社長にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
EVだからこそ実現できた超低床構造が高評価
ラストワンマイルの配送用車両として誕生した「日野デュトロ Z EV」。 同機種はEVならではの革新的な設計を採用し、超低床構造を実現した。 配送業務にたずさわる人にとって荷室の高さが1795mmという超低床設計は、 著しく負担軽減をもたらすものだろう。
また、「日野デュトロ Z EV」の超低床設計による広い車室は物流作業にとどまらず、 幅広い活用の仕方を想定したものだ。 多彩な活用バリエーションを提案する「日野デュトロ Z EV」の動向に注目したい。
日野自動車国内企画部事業計画室商品・販売促進グループの山中克也氏にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
新たな市場形成に向け、中古トラックのEV化を推進
ヤマトモビリティ&Mfg. が新発想のEV事業で注目を集めている。 中古のガソリン・ディーゼルトラックをEV車両として再生させるトラックEVコンバージョン事業だ。
中国最大のEVエンジニアリング企業であるIAT社と資本・業務提携することで 中古トラックのEV化に必要不可欠な高品質パーツキットを調達し、 中古EVトラックの量産化を目指すヤマトモビリティ&Mfg.──。 EVシフトのソリューションプロパイダーとして日本の物流車市場に新たな選択肢を提案する同社の動向が注目される。
鈴木昭寿代表取締役CEOにインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
2026年春、日本の物流市場に製品を投入
「Rapide3」はラストマイルデリバリー向けの先進機能を搭載した注目の電動三輪バイクだ。 同機種を日本市場で販売するのは、2025年5月に新設された日本ガイウスモビリティ(本社・東京都千代田区、代表取締役社長・竹田憲生)。 台湾に本社を置くGAIUS AUTOMOTIVEの日本法人だ。
2026年春、日本市場に投下される「Rapide3」。 同機種の拡販に自信を見せる日本ガイウスモビリティの竹田社長にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
EV電気自動車、電動バイク、電動アシスト自転車、EV充放電機器、駐輪•駐車場機器、防災機器一堂に集結!!
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2026」は、例年にも増して見どころ充分だ! 今年は日本の自動車市場の4割を占める軽自動車カテゴリーに新型EVが多数投入され、 さらには商用・物流車市場にもEV旋風が巻き起こる可能性が充分で、 本展示会はEV戦国市場を反映させた熱気に包まれるはずだ。
さらに電動ムードを加速させるのが電動バイク。 排出ガスの規制により昨年10月をもって50ccガソリン車は生産中止になっており、 それに替わる商品として電動バイクがクローズアップされているからだ。 もちろん、電動アシスト自転車も自転車市場の主軸を形成しており、 車種バリエーションを広げている。
つまりは乗用車・バス・トラックの電気自動車、三輪・二輪の電動バイク、 市民の足である電動アシスト自転車などパーソナルモビリティはエレクトリック仕様の新車両が次々と市場に投下され、 “電動”市場が一気に活性化する可能性がふくらんでいるのだ。 本誌は断言する。今年は新たな「電動車元年」の幕が切って落とされると──。
また、電動モビリティ市場と不離一体なのがEV充電インフラ機器であり、 駐輪・駐車場関連製品だ。 これらの分野も今年は高機能モデルラッシュに沸くはずで、 本展示会には注目すべき新製品が出揃うに違いない。
11月の防災庁発足を踏まえ、防災関連機器の製品も会場をにぎわすはずだ。
いずれにせよ、11年目を迎える今年の「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2026」は、 新たな発見、驚き、学び、覚醒、チャレンジが渦巻く大変革のイベントになる。 新時代の息吹を見逃す手はないだろう。
2025年は、11年周期の太陽活動の当たり年。 夏の酷暑と10月末に世界の航空機業界を震憾させた 「エアバスA320の太陽フレア(宇宙線、放射線)による 飛行制御コンピュータの誤作動が発生、世界で6000機のリコール、OTA(ソフト書換え)で緊急対応」 という歴史的な事件が発生した。 これは、世界初の太陽フレアによるEMC(電磁環境適合性)問題の重要インシデントである。
筆者はすぐに「1977年、GM マイザー(世界初マイコン制御搭載車)のEM(I 電磁干渉)問題」を想起した。 今回の「エアバスA320コンピュータ誤作動」は、 次世代モビリティ(車・航空機・ロケット)、先端技術(半導体・AI・量子コンピュータ)分野で 今後、起こり得るEMC問題への警鐘である。 「地球と宇宙を一体として捉える時代がついに来た」と認識を新たにした。
今回、半世紀前に筆者が北米現地で遭遇した「クルマのEMC問題」に対して、 如何にカーエレクトロニクス技術者達が取り組み、信頼性を担保したか、 トヨタグループでの実体験、事例で紹介する。
<本文は雑誌に掲載>
BYD Auto Japan(本社・横浜市神奈川区、代表取締役社長・東福寺厚樹)の新車投入が本格化の様相を呈している。 とりわけ注目されるのは、2026年夏に市場投下される軽EVの「RACCO(ラッコ)」だ。 日本の乗用車販売の約4割を占める軽自動車160万台市場に対し、満を持して投入されるBYDの戦略車「RACCO」。 東福寺厚樹社長確かな機能と価格的訴求力を両立させた同車が日本のEV市場を活性化させることは必至で、 軽EVに注力する他社の動向も合わせて2026年が新たなEV元年になる可能性は充分だ。
SUV仕様の新型EV「SEALION7」、プラグインハイブリッド(PHEV)の「SEALION6」。 2025年、矢継ぎ早に渾身のニューモデルを日本市場にリリースしたBYD Auto Japanは 「RACCO」によって日本EV市場活性化の牽引役を務める構えだ。 商品企画部担当の田川博英部長のコメントを交え、同社の東福寺厚樹社長にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
EV・電気自動車が環境に優しいゼロエミッション車として期待感を増しているのは周知の通りだ。 EVは次世代志向の移動体であるが、同時に電源として活用できることも見逃せない長所と言えるだろう。 そんなEVの特質を活用したユニークな製品・システムが本格発進の時を迎えようとしている。 EV に搭載した「SHELF GARDENING」と「サニエウォーター」だ。
最新テクノロジーを注入した都市型家庭菜園システム「SHELF GARDENING」と 米国防省に導入実績を持つ水生成装置「サニエウォーター」は FDS(本社工場:岐阜県高山市、代表取締役・五十嵐優樹)が扱うハイテク製品だが、 EVと組み合わせることによって一段と訴求力を高めていく構えだ。
農業と防災を高次元で組み合わせた同製品を提案中の五十嵐社長のインタビュー記事を 前・後編の2回に分けて紹介する。
<本文は雑誌に掲載>
長谷川工業(本社・大阪市西区、代表取締役社長・長谷川泰正)と言えば、 ハシゴ、脚立のパイオニアメーカーとして知られ、高品質・高機能のものづくりで知られる有力企業だ。 その同社が2024年1月4日に設立した新会社がハセガワモビリティ(本社・大阪市西区、代表取締役社長・長谷川泰正)で、 電動モビリティ販売の新規事業を本格稼働させている。 主力商品は中国・無錫市に本社を置く世界最大級の電動モビリティメーカー・YADEAの電動バイク、電動アシスト自転車、電動キックボードだ。
世界的にゼロエミッションの動きが強まる中、電動モビリティ事業にチャレンジするハセガワモビリティ。 YADEA製品の拡販を陣頭指揮する長谷川社長にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>



<最新号(1月号)の誌面より>