少子高齢化、人口減少、産業衰退、円安、経済鈍化、自然災害······。 難問山積の中、縮小ニッポンの国力は地盤沈下を重ね、確たる反転攻勢へのグランド戦略が見出せていない。 人口の東京一極集中は歯止めがかからず、地方の経済基盤は疲弊の度合いを深めている。 今こそ政治力の一念発起が期待されるわけだが、政界は裏金疑惑の暗雲に包まれ、 国民を納得させる骨太な国家戦略、果敢な実行力を秘めた政治リーダーが見えてこない。
10年後、20年後、30年後の日本はどうなるのか。 40年後、50年後、100年後における我が国の政治・経済・社会はどのような状況を呈しているのか。 世界の動きにどう対応しているのか──。 日本の将来に対する不安、懸念、疑念がふくらむ今日この頃である。
本誌が守備範囲としているのはモビリティとまちづくり、交通システムの展望である。 自転車、バイク、自動車、バスなどのモビリティ、とりわけ環境に優しい脱ガソリン車を活用した移動手段にフォーカスを合わせ、 未来志向のまちづくりに関する展望、提言を本誌の使命、テーマとして位置づけている。
弊社は毎年、「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO ~自転車·電動モビリティまちづくり博~」を開催しているが、 同展示会のテーマは本誌とまったく同一線上にある。 本誌と左記展示会のコンセプトはコインの裏表であり、両者を密接にリンクさせることで発信力を強化・拡充していく方針だ。
人が住みやすいまち、暮らしやすいまちを形成していくには安全で利便性の高い移動システムの構築が不可欠事項である。 そうしたテーマに照らし合わせれば、 今年の本展示会には多彩なモビリティに加えてEV用充放電インフラ機器、駐輪・駐車システムが集結し、 次世代都市構造を展望するヒントを少なからず提示・提案することができたのではないかと自負している。 来年はさらに多種多彩なモビリティ、インフラ機器を募り、展示会としての発信力を強化・拡充したいと願っている次第だ。
弊社はモビリティという切り口をベースとして少子高齢化・人口減少対策、都市交通の発展、 地域経済の活性化といった緒問題を展望していく方針である。 微力ではあるが、安全で快適なまちづくりに貢献していく志を持ち続けていきたいと考えている。
(本誌・高木賢)
「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2024~自転車·電動モビリティまちづくり博~」 が6月5日(水)・6日(木)の両日、 東京都新宿区西新宿の新宿住友ビル三角広場(屋内展示場空間)で開催された。
会場にはモビリティ変革の時代に相応しく、EV、電気バス、電動バイク、 電動アシスト自転車、EV 充放電機器、駐輪・駐車場関連機器、パーツ・用品が集結し、 新たな交通システムの創造へ向けてエキサイティングな提示・提案を展開した。
今年の「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO2024 ~自転車·電動モビリティまちづくり博~」には、 例年にも増して多彩な先進的モビリティ、移動・交通インフラ関連機器、駐輪・駐車機器システムが集結し、 エキサイティングな話題を提供した。
出展者ブースにはモビリティ変革の新時代を象徴する未来志向の製品が多数展示され、 移動・交通手段の進化、安全で利便性の高い次世代型交通システムの構築に向けてフレッシュな提案を繰り広げた。
移動の安全性と利便性の向上が人と街を元気にして、健康的なまちづくりを推進する。 人の移動を活性化させることが経済活動の活性化につながっていく。 人の暮らしを豊かにするモビリティライフの形成──。 こうしたテーマを出展者、来場者、そして特別ゲストのパネラー達とともに考え、 カテゴリーの垣根を越えて広く世の中に発信していくことを目指しているのが 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 〜自転車・電動モビリティまちづくり博〜」だ。
今年の「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024〜自転車・電動モビリティまちづくり博〜」は未だ発展途上ではあるが、 時代を動かす注目の新製品が集結し、その志の一端は確実に発信できたと言えるだろう。
東京・西新宿は東京都庁の所在地であり、それに呼応するかのように日本を代表する有力企業のオフィスが密集している。 副都心西新宿は丸の内と並び、日本の経済を動かす巨大ビジネスの舞台でもある。
その西新宿の中心地に位置する展示空間「新宿住友ビル三角広場」で開催された 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024〜自転車・電動モビリティまちづくり博〜」は、 未来志向の刺激に満ちた展示イベントとして活況を呈することになった。
なお、来年の「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2025〜自転車・電動モビリティまちづくり博〜」は 6月11日(水)・12日(木)の2日間、今年と同会場の「新宿住友ビル三角広場」で開催される。
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024」にはEV、及びEVインフラ充放電機器が多数出品され、 展示会場は日本国内におけるEV市場のさらなる広がりを予見させる動きに包まれていた。 “モビリティ変革の時代”を反映させた展示イベントであった。
会場に設営された特設ステージでは2日間にわたってEV、電動モビリティをテーマとするパネルディスカッションが展開されたが、 その中にあって本田技術研究所の安井裕司エグゼクティブチーフエンジニアによる 「ホンダが目指す“CI(自動運転)まちづくり”」は 日本を代表する自動車メーカーと地方自治体の熱き連携プレーを紹介するもので、興味深いものがあった。
EV、協調人口知能、自動運転、まちおこし、まちづくり······。 ホンダ×常総市の先進的コラボレーションは、日本が進むべきひとつの道を示していると言えるだろう。
安井氏の研究発表をダイジェスト版としてお伝えすることにした。
(本文は雑誌に掲載)
乗り物の変革期を迎え、日本のモビリティ環境、移動手段はどのように変貌していくのだろうか。 我々が享受する交通システムはどのようなものなのか。 10年後、20年後、30年後、日本のモビリティ事情はどのように変貌しているのだろう──。
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024」では 論客として知られる谷中壯弘、西村直人、疋田智の3氏に 「モビリティ新時代への提言」のテーマで話し合っていただいた。
3氏によるディスカッションは、 日本のモビリティ&交通システムの未来形を展望する上で大いに参考とすべき内容となった。
(本文は雑誌に掲載)
今春、自転車の交通違反に対する青切符(交通反則告知書)の導入が改正道交法とともに確定した。 これにより、2026年までに青切符を含めた改正道交法が施行されることになり、 比較的軽微な交通違反を犯した者に対して青切符が発行される。
違反者は青切符を受け取ってから8日以内に銀行・郵便局で反則金を納付すれば手続きは完了する。 青切符導入の背景には自転車関連交通事故の増加が挙げられ、 信号無視、携帯電話を使用しながらの運転など危険行為が取り締まりの主要対象となる。 青切符の導入は自転車走行に関するルール・マナーの順守を推進するだけでなく、 他の乗り物との協調関係を見直す機会にもなるはずだ。
小林成基、疋田智、遠藤まさ子の3氏に青切符導入をめぐって率直な意見交換、ディスカッションを展開していただいた。
(本文は雑誌に掲載)
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024」の特設ステージで展開されたパネルディスカッション「EV新時代の提案」は、 一定の緊迫感を持ちながら忌憚ない率直な意見が披露された。 アルテック、アセンブルポイント、アパテックモーターズが進めているEV市場へのアプローチはそれぞれ異なり、 企業スタンスにも差異があるが、間違いなく共通しているのは自社製品の拡販を通じてEV市場の拡大を期していることだ。
特設ステージで公開された三者三様の意見、見解はEV市場発展への貴重なヒントが秘められているはずで、 説得力に富むものがあった。ディスカッションのダイジェスト版をお届けする。
(本文は雑誌に掲載)
EVワイヤレス給電協議会は6月10日、東京都港区高輪のビジョンセンター品川で設立総会を開催し、活動をスタートさせた。 同協議会は会員55社、オブザーバー19団体から成る組織で(注:7月1日現在の会員は61社、オブザーバー21団体)、会長には東京理科大学の堀洋一教授が就任した。
EVの普及にとって必要不可欠なのはEV充電のインフラ整備であることは改めて言うまでもないが、 EVワイヤレス給電協議会が推進するのはケーブルやプラグを必要としないワイヤレス給電システムだ。 同協議会はEV新時代をリードすべくEVワイヤレス給電の社会実装、普及活動に取り組んでいく。
本誌では千葉県野田市の東京理科大学創域理工学部に堀教授を訪ね、 EVワイヤレス給電協議会の設立趣旨、活動計画、及びDWPTを主軸とするEVワイヤレス給電システムの普及構想などについてインタビューした。
「EVワイヤレス給電は停車中充電システムのSWPT(Static Wireless Power Transfer)と 道路空間に給電設備を創設する走行中充電システムのDWPT(Dynamic Wireless Power Transfer)の2パターンがあるが、 究極的にはDWPTこそ日本が選択すべき給電方法である」
堀教授は明快な語り口で DWPT 研究の現状と可能性について言及し、自説を展開した。 本誌では本号と次号の2回に分けて同教授の熱きメッセージを紹介することにした。
(聞き手:本誌・高木賢)
(本文は雑誌に掲載)