日本の人口減少がいよいよ深刻な問題となってきた。 総務省の人口統計によると、2023年9月1日時点での日本の総人口は約1億2434万8000人で、 前年同月と比較して62万3000人減少している。
年齢層ごとに見ると、15歳未満の人口は1420万3000人で前年比32万人の減少、 15歳から64歳までの人口は7392万1000人で前年比28万3000人の減少、 65歳以上の人口は3622万5000人で前年比2万1000人の減少だ。 65歳以上の中で、75歳以上の人口は2002万2000人で前年比72万5000人増加している。
これらの数字は少子高齢化の人口動態をはっきりと浮き彫りにしており、 日本の社会保障システムや労働力、経済の将来に暗雲を投げかけている。
少子高齢化、人口減少は今後も続くことは避けられず、 総務省は2030年に日本の人口は1億1522万人に減少し、 2050年には1億人を割り、9515万人まで落ち込むと推測している。 つまり、25年後には現在の国内人口から約3000万人が消える計算だ。 これが日本が直面している少子高齢化、人口減少の実態なのだ。
人口減少は国力の低下に直結するだけに政府は子育て支援、福祉サービスの強化、 働き方改革、賃金改訂、仕事創生など諸政策に取り組んでいるが、 これらの政策に求められているのは骨太な方針と腰の座った実行力だろう。 日本再生に向け、今こそ政治家の志、信念、手腕が問われている。
ともかくも政治・経済・社会のあらゆる面で見直し、再生、改革が不可避であるとするならば、 モビリティの世界もまた社会の中で果たすべき役割が問われていると言うべきだろう。 日本にとって100年に1度のモビリティ革命とはEV主軸の脱ガソリンを目指す技術革新だけでなく、 少子高齢化・人口減少を視野に入れたハード、ソフト両面での改革・革新なのだ。
住みたいまち、移動しやすいまち、人の流れを活性化させるまち──。 そんな“つながる”まちづくりに果たすべきモビリティの役割は、実に大きなものがあるはずだ。
(本誌・高木賢)
100年に1度と言われるモビリティ変革期──。 車両の脱ガソリン、電動化はさらに勢いを増している。 エレクトリックパワーは移動体への浸透を加速させ、IT・AIの活用も相まって新たな移動システム創出への胎動が顕著だ。
人々の移動、暮らしを支えるバス、物流車の世界もEVシフトへの動きを早めている。 急速なテクノロジーの進化はモビリティ改革を牽引し、私達を新たな交通システムの世界へと誘っていくに違いない。
「Mobility Life」は3月号・5月号の2号にわたり「働くEV 大変革期を迎えたバス・物流モビリティワールド」を特集する。 地域のまちづくりを視野に入れ、バス、物流車を主軸とするEVの現況と可能性を探っていく。 モビリティ変革、ニューモビリティ創造への動きが私達の暮らしを便利に、豊かにすることに想いを馳せながら······。
EVミニバス「SB(Smart Bus)」の製造・販売で知られるアセンブルポイント(本社・神奈川県横浜市都筑区、代表取締役社長・宮下崇)。 同社は日産自動車でクルマづくりの技術・ノウハウを培ったエンジニアが主軸となって2010年に創立されたEVメーカーで、 生産拠点をフィリピンに置いている。
同社は新型コロナの影響で足踏みを余儀なくされたが、2022年末、経営トップに宮下社長が就任し、反転攻勢へのスタートを切った。 同社長はアジア・中東・アフリカ市場の開拓に活路を求める新路線を打ち出し、 返す刀で日本市場攻略を期す切れ味鋭い経営戦略を推進する構えだ。
「働くEVとは働く人、すなわち雇用を生み出すEV である」との信念を明言する宮下アセンブルポイントの動向に注目したい。
本田技術研究所は2月1日、茨城県常総市のアグリサイエンスバレー常総でメディア向けの 「Honda CI マイクロモビリティ技術体験会」を開催した。 同技術体験会では搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa(サイコマ)」、 マイクロモビリティロボット「WaPOCHI(ワポチ)」が公開され、記者団に技術体験の機会を提供した。
同技術体験会では本田技術研究所の安井裕司、松永英樹、小室美紗の3氏が 「Honda CI マイクロモビリティ」の現状と将来的展望、今後の計画を発表した。 以下は記者発表の主な内容と資料の抜粋である。
なお、この日の技術体験会には常総市の神達岳志市長も出席。 神達市長は「常総市AIまちづくりコンソーシアム」構想を熱く語った。
台北国際自転車展(TAIPEI CYCLE、主催:TAITRA・中華民国対外貿易発展協会)が 3月6日から9日までの4日間、台北市の南港展示ホール1号館・2号館で開催された。
今年は国内外から約950社の企業が合計約3500ブースの規模で出展した。 これは前年比15%増で、新型コロナウイルスの感染拡大時期以前と較べても5%の増加となり、 規模的には世界最大級のサイクルビジネスショーとしての威信を取り戻したと言える。 ただ、世界規模でのオーバーサプライ、ウクライナ戦争の影響による景気後退、部材の高騰などビジネス的にはマイナス要素が反映し、 欧米バイヤーの来場者は減少した模様だ。
商材的にはやはり電動アシスト自転車が主力で、シティバイクからスポーツ車まで電気仕掛けの完成車、 電動カーゴ、及び電動アシスト自転車関連のパーツが展示会場をにぎわしていた。