巻頭提言
展示会とはヒトとヒト、ヒトとモノの出会いの場、

エキサイティングな交流の現場である。

 ビジネスショーであれ、コンシューマーショーであれ、およそ展示会とは新製品、注目製品の発表会である。 出展者は自社で開発したオリジナル商品、他企業と共同開発したコラボモデル、あるいは海外から輸入した注目商品、 魅力商品を自社ブースに展示し、来場者に提示・提案する。

 ビジネスショーであれば来場者は出展企業のブースでそれらの商品を視察・吟味し、 質問を重ねながらその商品が自社の事業に有効な製品であるか否かをつぶさに検討する。 展示されている商品が来場者にとって訴求力に富むものであれば、 そこからビジネスの第一歩がスタートすることになる。

 展示会とは商品、つまり“モノ”をめぐっての品評会、検討会、争奪戦の場であるわけだが、忘れてならないのはそこに〝ヒト〟が存在するということだろう。 同じ商品であってもその商品を説明・案内するスタッフの話し方、熱意、態度、人となりで商品、展示品の印象はかなり違ってくるはずだ。 商品を輝かせるのは〝ヒト〟なのである。 もちろん、商品の価値を判断する側の〝ヒト〟には眼力、判断力、交渉力が問われる。展示会とは人間力が試される場でもある。 AI・ITテクノロジーがいかに発達・普及しようとも、その原則は変わらないはずだ。

 5月12日・13日の両日、東京・西新宿の新宿住友ビル三角広場で 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023〜自転車・電動モビリティまちづくり博〜」が開催された。 今年は電動、エレクトロという切り口でさまざまなモビリティが展示されたが、商材が多彩だった分、 出展者と来場者、出展者と出展者の交流、出会いも新鮮なものがあったのではないだろうか。 ビジネスとは予測通りに進むこともあれば、意外な方向からチャンスの芽がふくらむこともある。 ビジネスマッチングとは予測を超えたところから進展することも少なくないはずだ。

 100年に1度と言われるモビリティ革命の時代。来年6月5日、6日開催の「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024」には、 電動モビリティを主軸としたビジネスチャンスの芽が多々潜んでいるように思う。 同展を主催させていただく弊社としては、 可能な限りエキサイティングな舞台を用意したいと念じている次第である。

(本誌・高木賢)


 特報 BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2023
加速するエレクトリックパワー

EV、e-BIKE、EV充電機器の注目モデル集結!

 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO2023~自転車・電動モビリティまちづくり博~in 新宿住友ビル三角広場」 が5月12日(金)・13日(土)の両日、東京都新宿区西新宿の新宿住友ビル三角広場で開催された。

 会場にはEV・電気自動車から電動スクーター、電動ミニカー、電動アシスト自転車、電動キックボードなど電動モビリテ ィの最新モデル、及びEV充電機器、駐輪・駐車場関連機器などインフラ系の注目製品が一堂に集められ、約4500名の来場者に提示された。

 各種電動モビリティとインフラ系の製品・システムに焦点を合わせた本展示会は次世代交通システム、 未来志向のまちづくりを主要テーマとする展示・イベントで、広範囲な分野で注目度を高めている。

 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO2023」の特別レポートをお届けしよう。


 BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2023
移動のユニバーサルデザインを考える。

移動手段の整備はまちづくりの基本だ。
電動ミニバス、電動モビリティを活用した地方創生の有り様を考える。

 人が自由に行き来できる交通システム、移動手段を確保するというのはまちづくりの基盤と言えるだろう。 そのテーマを主軸とし、「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023 」では特設ステージにおいて 「移動のユニバーサルデザインを考える」と題したシンポジウムを実施した。

 初日は古谷俊英、戸羽太、小林成基、富和清訓、沖一幸の5氏によるディスカッションだ。


 BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2023 パネルディスカッション
「2023電動モビリティ最新事情」

今こそ求められる交通政策の中長期ビジョン
モビリティ変革期に対応した移動システムの構築を──。

 加速する乗り物の電動化──。自転車を含めて多彩なパーソナルモビリティが輩出する中、 交通政策にも中長期的なビジョンの策定と果敢な実行力が求められているようだ。 公文美貴、片岡大造、小林成基、内海潤の4氏によって展開されたパネルディスカッションの模様を再現した。


 BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2023 パネルディスカッション
「駐輪場進化論」

モビリティ変革期の今こそ駐輪場変革の大チャンス!

 社会環境が変われば、我々の暮らしを形づくっているさまざまなシステムも自ずから変わっていくであろうし、 変えるべきところは断固変えなければならないはずだ。 駐輪場のシステムも例外ではない。 改善すべきところは改善し、市民生活を向上させる魅力的な駐輪場を創っていくことは まちづくりを進めていく上で極めて大切なことだろう。

 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023」の特設ステージで 亘理章、白戸太朗、内海潤の3氏に「駐輪場進化論」と題したパネルディスカッションを 実施していただいた。その内容をお届けしよう。


 INTERVIEW
世界シェアナンバーワンのチェーンメーカー(※)が断行する

“ 新たなる挑戦”

注目のオリジナル電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」

 世界シェアナンバーワンのチェーンメーカー・椿本チエインが 電動アシスト3輪自転車の開発に乗り出した。 来年後半にリリースを予定している話題の製品は「多目的e-Cargo」。 “欧米で人気の電動カーゴバイクは日本でも必ずやニーズが高まる”と判断した 有力自動車部品メーカーの決断は特注だ。

「電動アシスト3輪自転車のTSUBAKIを目指す」と宣言する 椿本チエインモビリティ事業部 eモビリティ統括執行役員の佐伯充史氏にインタビューした。


 INTERVIEW
「自治体の連携を強化し、会員数500超えを目指します」

自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会・

田中利明会長(佐伯市長)に聞く

 「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」の田中利明会長にインタビューした。 同会長の郷土愛、佐伯市愛は極めて強く、自転車、電動モビリティを 活用したまちづくり構想をほとばしるように語ってくれた。

 田中会長が目指す“参加自治体数500超え”は予想以上に早く実現するのではないだろうか。


 BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2023 パネルディスカッション
観光ツーリズム考

「 自転車ツーリングって最高!楽しみ方、走り方は人それぞれです」

 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023」では2日目に「観光ツーリズム考」 と題したパネルディスカッションを実施した。 パネラーは疋田智、富和清訓、内海潤の3氏。いずれも名うてのサイクリストで、自転車ツーリング経験も豊富な方々だ。 飛び出した話は甘口、辛口織り交ぜての味わい深いもので、自転車ツーリングの勘所をしっかりとおさえていたトークだった。

 紙幅の都合上、今回はコンパクトにまとめさせていただいたが、話のエッセンスはお伝えできているはずだ。 本欄を読まれて次の休みにはサイクリングに行こう! と思う人が1人でも増えれば幸いである。



最新号コンテンツ
巻頭提言
展示会とはヒトとヒト、ヒトとモノの出会いの場、エキサイティングな交流の現場である。
特報
BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023
加速するエレクトリックパワー
EV、e-BIKE、EV充電機器の注目モデルが集結!
パネルディスカッション
移動のユニバーサルデザインを考える
基調講演


戸羽太(前陸前高田市長)
移動のユニバーサルデザインを考える
シンポジウム
古谷俊英(国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課課長補佐)
戸羽太
富和清訓(医学博士 日本整形外科専門医 DMAT医師 産業医)
小林成基(自転車活用推進研究会理事長)
2023電動モビリティ最新事情
(機能的進化と利用環境)
公文美貴(国土交通省道路局参事官付課長補佐)
小林成基
片岡大造(元名古屋大学総長参与)
内海潤(自転車活用推進研究会事務局長)
駐輪場進化論
白戸太朗(スポーツナビゲーター・東京都議会議員)
亘理章(都市交通評論家)
内海潤
観光ツーリズム考
内海潤
富和清則
疋田智(TBSテレビチーフプロデューサー)
BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023
出展者紹介
INTERVIEW
世界シェアナンバーワンのチェーンメーカー(※)が断行する“新たなる挑戦”

椿本チエイン
モビリティ事業部eモビリティ統括執行役員
佐伯充史

※産業用スチールチェーン、自動車エンジン用チェーンで世界シェアNO.1


「自治体の連携を強化し、会員数500超えを目指します」

自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会会長

田中利明(佐伯市長)
スポットライト
MIRAI-LABO/OSS/ENEOS/東光高岳
/福田国際/GPS Tuner Systems

連載・読み物・情報
  • GOOD CYCLE JAPAN〜自転車って「いいね!」
                    片岡 大造
  • 自転車を眼鏡にして世の中を見る 小林 成基
  • 晴走雨読 疋田 智
  • バイシクルシティ・ニッポンを目指して
                    片岡 大造
  • 日米欧の自転車政策概論 古倉 宗治
  • ニッポンの自転車、ココが足りない 内海 潤
  • 自由平原 高木 啓司
  • 提言24時 前野 博司
  • 新・こちらドクターカー 富和 清訓
  • 自転車ヒストリア 谷田 貝一男
  • EV文化論 沖 一幸
  • News & Information
  • 奥付・広告索引