群雄割拠の戦国時代、俊英が駆け抜けた幕末維新はNHK大河ドラマの定番的な時代設定だ。 視聴率を意識してのテレビマン的選択肢なのだろう。 確かに平和ニッポンを生きる現代人にとって戦国時代と幕末維新は 憧憬と郷愁の対象であり、英傑達は我々に日本人としての勇気と誇りを思い起こさせてくれる。
令和5年。終戦後78年を経過した現代は日本にとってどんな時代と称すべきなのか。 平和主義・民主主義の堅持。経済的繁栄。 戦後の日本がたどってきた非戦の道程は紛争が続く国際状勢の中で大いに評価されるべきだろうし、 経済発展とともに世界に誇れる実績と言ってもいいはずだ。 しかし、その一方で私達が築き上げてきた国家体制は多くの矛盾を内包していることも確かで、 政治・経済・社会の各分野でほころびが拡大してきていることは隠しようがない。
昨今、社会を震撼させているITを悪用した広域犯罪には厳しい法の裁きを課すしかないが、 我々は彼らを生み出してしまった現代社会の闇、経済発展が積み残した負の遺産を直視すべきだろう。
詩人寺山修司が若き日に詠んだ秀逸な一句がある。 「マッチ擦るつかの間海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」。 強大なロシア軍に敢然と立ち向かうウクライナ兵の姿をテレビのニュース番組で目にする時、 寺山の苦吟を想い起こす。我々は今、日本が置かれている立ち位置を真摯に見つめ直すべきだろう。
EVの台頭により、100年に1度と言われるモビリティ変革期が到来したが、事はモビリティの世界だけにとどまらない。 モビリティの変革は、大いなる社会構造の地殻変動を誘発することになるはずだ。
自動車を主軸とする日本のモビリティ産業はどう対応していくべきか? 自動運転車の進化と可能性は? 移動システム、インフラ整備の道筋は? 日本が選択すべきエネルギー政策は? 環境問題への対応は? モビリティとまちづくりの連動性は? モビリティミックスの移動システムは? モビリティ新時代のライフスタイルは?
新生「Mobility Life」はこれらの問題、課題と向き合い、取材・編集の主要テーマとして掲げていきたいと念じている。 モビリティ革命の時代。ニッポンは未曾有の荒波を乗り越えて進んでいく──。
(本誌・高木賢)
「まちづくりの政策と交通政策は切っても切れません。物流を含む移動システムを整備し、進化させていくということはまちづくり政策の要です。 車の運転をしない人のことや職業運転手の不足を考えると、自動運転を活用した高度なモビリティシステムが重要になってくるはずです」
モビリティ・交通システム研究のエキスパート、森川高行名古屋大学教授は交通社会に対する展望、熱き想いを語ってくれた。
瀕死の地域公共交通網の再建、交通手段を連携させるモビリティブレンド、自動運転車導入の課題と可能性──。 本誌はPART1・2の2回に分けて森川教授のメッセージをお届けすることにした。
(インタビュアー:元名古屋大学総長参与・片岡大造氏)
「30年前と今では自転車に対する価値観が大きく違ってきました。今こそ駐輪場をグレードアップ、バージョンアップさせるチャンスです」。 スポーツナビゲーターで元プロトライアスリートとして知られる東京都議会議員の白戸太朗氏は熱く、自説を展開した。
「駐輪場利用料金の上限を定めている基礎自治体に対し、高騰している自転車の平均単価、市場情報、社会情勢を訴えていけば 駐輪場の上限を定めている条例は検討できる!」。シリーズ企画「進化・変革の道:駐輪場の利用料金を考える。」の 第2弾として白戸氏のインタビュー記事をお届けする。
100年に1度の変革期。モビリティワールドはEVを主軸として激動の時代を迎えている。 そんな変化、変革の時代を象徴するかのように2019年5月、日本に新たなEVメーカーが誕生した。 蕭偉城氏率いるHWELECTRO(本社・東京都江東区青海)だ。同社はEV商用車に特化した商品展開を選択し、 独自のコネクテッドサービスを注入した「ELEMO」でEV市場に旋風を巻き起こす構えだ。
「EVはゲームチェンジャー。当社もエコでスタイリッシュなEV商用車で社会変革にチャレンジしていきたい」と断言する蕭社長。 HW ELECTROの動向に注目したい。
(本誌・高木賢)
名古屋大学未来社会創造機構 モビリティ社会研究所
森川高行教授に聞く(PART1)沖一幸
椿本チエイン/トヨタ車体/東亜道路工業/日東工業/東光高岳/JOeB/JFEエンジニアリング/マジカルレーシング/ニチコン/オリジン/トースト17バイシクル事業部/BRJ/ENEOS
スポーツナビゲーター・東京都議会議員
白戸太朗氏に聞くHW ELECTRO 䔥偉城 代表取締役
TCA(Taipei Computer Association) 吉村章 駐日代表
電気自動車専門店「Ev CArS」
佐久間竜一社長・村辺多一郎マネージャーに聞く