自動車業界が100年に1度の大変革期に直面していると言われる中、 私達が選択し得る移動手段はさまざまな広がりを見せつつある。
IT・AIテクノロジーの導入によるモビリティの進化、インフラ・移動システムの変革は 私達の暮らしをどのように変えていくのか。 新機能を装備したモビリティがもたらす新時代のライフスタイルとはどのようなものなのか。 そして、次世代モビリティと総称される新機種モデルはどのようなかたちで私達の暮らしに入ってくるのか、 活用されるのか──。
本誌は次世代モビリティ、自動運転システムをテーマとして特別座談会を実施した。 出席者が披露してくれた独自情報、広い視野を見据えた見解は 我が国のパーソナルモビリティの現状と展望、脱炭素時代の交通社会が進むべき方向性を示して味わい深いものがある。
座談会の模様をお届けしたい。
浜田「それではライジング出版の企画による座談会を始めます。〝次世代モビリティ普及の条件〟といったテーマで活発なご意見を頂戴したいと思います。
政府は脱炭素社会の実現、自動運転のサービス導入に向けて取り組んでいるわけですが、それを踏まえて次世代モビリティが新たなライフスタイル創造の先導役になり得るのか、次世代モビリティはまちづくりの中でどのような役割を果たせるのか、あるいは私達の暮らしの中で次世代モビリティをいかに活用していくべきなのか、新時代の交通システムはどのようなコンセプトを重視すべきなのかといったことについて話し合っていただきたいと思います。
まずは自己紹介を兼ねましてひとことお願いいたします」
坂井「私は2008年からITS(Intelligent Transport Sys- tems・高度道路交通システム)、自動運転、インフラ協調に関する研究、技術開発に取り組んできました。自動運転はオーナーカーの乗用車と移動サービスの車両の2種類があるわけですが、私は両方の分野に関わってきました。ベルギーへの赴任の際も交通システムの有り様を見てきましたが、本日ご用意いただいた雑誌(e-RIDE JAPAN)の写真を見ながら小型モビリティというのは確かにヨーロッパの街並みによく似合っていたということを改めて思い起こした次第です」
谷中「私は電気自動車の開発を中心とした仕事に取り組んできましたが、特に軽自動車未満の超小型電動モビリティの企画・開発を担当してきており、C+pod(シーポッド)、C+walkT(シーウォークティー)を発売させていただきました。都市交通システムの調査・開発にもたずさわってまいりました。パーソナルモビリティの分野では皆様のお仕事のお役に立てることもあるのではないかと考えております」
雨宮「私が所属している開発企画部というのは主として都市計画、エリアマネジメントの観点からまちづくりに関わっている部署です。都市開発にあたって地下空間の有り様とか環境対策とか総合的な問題に対して実践的な取り組みを行っており、情報発信なども努めております」
飯塚「私が所属しているデジタル・スマートシティ推進室は昨年できた部署で、自動運転を含めたスマート技術を駆使したまちづくりというものを企画・研究しています。私どもは移動手段がまちづくりのあり方を大きく変えると考えておりまして、そういった観点から自動運転に注目しています。最近では西新宿において自動運転を導入した社会実験を実施し、自動運転サービスについて調査・研究を進めました」
岩上「私が勤めています交通政策部都市再生室というのは官民連携、まちづくりと交通といったことをキーワードとした業務を行っています。その一環としてまちづくりの中で新しいモビリティをどのように活用していくか、移動手段をどうするのか、ウォーカブルなまちづくりと道路の再編をどうするのかといった幅広な検討を進めています」
浜田「申し遅れましたが、私自身のことも簡単に紹介させていただきます。私は昨年3月まで一般財団法人道路新産業開発機構というところでITSを導入したまちづくり、高速道路のETC開発などに取り組んできました。道の駅に対する自動運転サービスの導入といったことも手がけてきましたが、そうした活動の中で地方の人達の移動手段ということについていろいろ調査・研究を重ねてきました。地方の人達は新たな移動手段の開発というものに期待しています。本日、次世代モビリティについて話し合っていただくのもそういった地域の実情というものが背景にあります。
それぞれの分野でご活躍されている皆様に私達がめざすべきモビリティと社会生活の有り様について議論していただきたいと思います。そして、本日の議論が次世代モビリティを活用したまちづくりの方向性、世界に提案できるくらいの交通システムづくりというものにつながっていく足がかりになれば大変うれしく思います。
それでは具体的な話し合いに入りたいと思います。坂井さん、いかがでしょうか」
オランダは世界をリードする自転車王国だ。自転車に対する価値観は極めて高く、自転車を大事に丁寧に使用する意識が国民の1人1人にしっかりと浸透している。国内に張り巡らされた自転車専用道路、鉄道の主要駅に整備された高機能駐輪場など自転車の利用環境は目を見張るものがある。
そのオランダ自転車界の中枢組織であるDutch Cycling Embassyのルーカス・ハームズ理事長らが5月18・19日に東京ドームシティ・プリズムホールで開催される「BICYCLE -E・MOBILITY CITY EXPO」に来場する。在日オランダ大使のペーター・ファン・デル・フリート氏も来場を予定している。ハームズ理事長らは展示会場でオランダの自転車利用環境をテーマとする講演会、及びシンポジウムを実施する。
Dutch Cycling Embassy来日の企画を推進しているラジオパーソナリティ・司会者のアンドレア・ポンピリオ氏にインタビューした。
F1テクノロジーを注入したメイド・イン・ジャパンの電動アシスト自転車を世界に向けて発進する! 日本の自転車業界に絶えて久しかった活力ある構想が沖縄で甦り、現実化する。
同構想を強力推進するのは2018年に発足した株式会社JOeB(本社・沖縄県那覇市、松原哲社長)だ。同社はすでに静岡県藤枝市に技術開発本部を設芭しており、2023年春から沖縄県うるま市の電動アシスト自転車OEM·ODM専用工場を稼働させる。
ジャバンメイドの先進テクノロジーを駆使し、世界の自転車業界に挑戦状を叩きつけるJOeB。同社が2022年自転車業界の台風の目になることは間違いない。
松原社長に独占インタピューした。
東京都の北東部に位置する足立区は人口約69万人を抱える特別区である。区内には発展著しい北千住駅を筆頭に竹ノ塚駅、西新井駅など24の鉄道駅があり、区営57ヵ所、民営約200ヵ所の駐輪場がある。自転車収容台数は区営が約2万5000台、民営が約3万7000台を数える。比率で言えば区営41%、民営59%だ。
特筆すぺきは放置自転車台数の少なさで 令和2年に内閣府が行った調査では足立区駅前の自転車の放置率は0.4%と東京23区で最も低い数字を示している。ちなみに東京23区で最も放置率が高かったのは千代田区で、41%だ。地価の高低が駐輪場の整備に影響し、放置率の数字に反映されているようだ。
シリーズ特集「商店街の駐輪場を考える。」の3回目は、足立区の北千住商店街の駐輪状況を取材した。
「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2022~自転車・電動モビリティまちづくり博~in 東京ドームシティ・プリズムホール」は 5月18日(水)・19日(木)の両日、東京都文京区後楽1丁目の東京ドームシティ・プリズムホールで開催される。
展示会の主力テーマは“自転車・電動モビリティを利活用したまちづくりの推進”で、新たな交通社会の創造、 環境未来都市の構築を目指したエキサイティングなイベントとなる。
オランダのDUTCH CYCLING EMBASSY要人と在日オランダ大使を迎えての日蘭交流も今年の特筆事項だ。
e- バイク・電動アシスト自転車が快走を続けている。経済産業省の自転車生産動態・輸出入統計、及び一般社団法人自転車協会車種別自転車統計によれば、日本国内市場におけるe- バイク・電動アシスト自転車の2021年総出荷台数は約124万台で、前年比約13%増の伸びを記録した。
主力輸入先の中国が欧米市場への輸出を重視している影響で日本の自転車市場は品不足状態が続き、2021年自転車総出荷台数が689万2771台で700万台に届かなかったことを考えれば(2020年は717万7558台)、なおさらe- バイク・電動アシスト自転車の好調ぶりが光る。e-バイク・電動アシスト自転車は、まさに日本自転車市場の救世主的存在だ。
高級・高機能路線のe-スポーツバイク、個性重視のレジャーバイク、安全機能に注力した子乗せ自転車など多彩な製品が百花繚乱のにぎわいを見せているe-バイク・電動アシスト自転車市場──。世の中のEVシフトに呼応するかのように日本の自転車市場もさらに大きく、本格的な電動化への傾斜を強めている。
製品自体の技術革新はもとより、IT・AIを導入した利用形態の進化も顕著で、自転車ワールドは新たな地平に突入した。
美しく、犯罪のないまちづくりを推進してきた足立区
カギかけ義務化キャンペーンを実施
注目のGolden Cycle Route(GCR)、広域連携で誕生した全長185kmのサイクリングコース
子供から大人まで、誰もが楽しめる魅力いっぱいのレジャーサイクルを製作
電動アシスト自転車の駆動システムで国際市場を牽引