巻頭提言
DUTCH CYCLING EMBASSYのハームズ理事長、
在日オランダ大使のフリート氏が
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2022」
(5月18・19日、東京ドームシティで開催)にやって来る!
 自転車大国の大国とは、どういう意味が込められているのだろうか。自転車の市場、マーケットのことを指すのだろうか。 ものづくりのことだろうか。自転車競技のことを表現しているのだろうか。 消費大国というのであれば、トレック、スペシャライズド、キャノンデールといった有名ブランドを抱えるアメリカが筆頭だろう。 生産大国となると、中国を挙げざるをえまい。 スポーツ車の開発・製造であるならば、台湾に軍配が上がるかも知れない。 軍事・政治面で中国の圧力にさらされる台湾だが、スポーツ車の開発力に関しては中国に負けたくはないだろう。 コルナゴ、ピナレロ、デローザのイタリア、ツール・ド・フランスの本場であるフランスも スポーツサイクルの分野では王国の名に相応しい歴史を持っている。
 そして、オランダ──。この国が世界をリードしているのは自転車のインフラ、利用環境の分野だ。 アンドレア・ポンピリオ氏(本誌33〜37頁参照)は、 ユトレヒトの中央駅には1万8000台を収容できる巨大な駐輪場が整備されていると証言する。 規模が大きいだけでなく、機能、デザイン、美しさといった面でも充実した内容を持っているそうだ。 ユトレヒト、アムステルダム、ロッテルダムといった都市には魅力的な駐輪場が整備されており、 主要都市間を結ぶ自転車スーパーハイウェイも素晴らしい走行環境を備えているという。
 オランダと言えば、国民が所有する自転車の平均単価は世界1と言われている。 もちろん、値段が高ければいいというわけではないが、自転車に対する想い入れ、自転車の価値観は極めて高い。 お気に入りの自転車を愛情込めて使う。 生活の中に組み込まれた愛車はかけがいのないパートナーなのだろう。 自転車を使用するライフスタイルを大切にする。そんな国、国民なのだ。
 そのオランダの自転車政策を主導する団体であるDUTCH CYCLING EMBASSYのトップ、 ルーカス・ハームズ理事長が在日オランダ大使のペーター・ファン・デル・フリート氏とともに 5月18・19日に東京ドームシティ・プリズムホールで開催される「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2022」の会場にやって来る。 正統派の自転車愛に接する絶好の機会と言うべきだろう。
(本誌・高木賢)

 特別座談会「次世代モビリティ普及の条件」
人は新時代のモビリティ、交通システムに何を求めているのか
新時代におけるモビリティの役割と社会生活の有り様を議論

 自動車業界が100年に1度の大変革期に直面していると言われる中、 私達が選択し得る移動手段はさまざまな広がりを見せつつある。

 IT・AIテクノロジーの導入によるモビリティの進化、インフラ・移動システムの変革は 私達の暮らしをどのように変えていくのか。 新機能を装備したモビリティがもたらす新時代のライフスタイルとはどのようなものなのか。 そして、次世代モビリティと総称される新機種モデルはどのようなかたちで私達の暮らしに入ってくるのか、 活用されるのか──。

 本誌は次世代モビリティ、自動運転システムをテーマとして特別座談会を実施した。 出席者が披露してくれた独自情報、広い視野を見据えた見解は 我が国のパーソナルモビリティの現状と展望、脱炭素時代の交通社会が進むべき方向性を示して味わい深いものがある。

 座談会の模様をお届けしたい。

一部抜粋

浜田「それではライジング出版の企画による座談会を始めます。〝次世代モビリティ普及の条件〟といったテーマで活発なご意見を頂戴したいと思います。

 政府は脱炭素社会の実現、自動運転のサービス導入に向けて取り組んでいるわけですが、それを踏まえて次世代モビリティが新たなライフスタイル創造の先導役になり得るのか、次世代モビリティはまちづくりの中でどのような役割を果たせるのか、あるいは私達の暮らしの中で次世代モビリティをいかに活用していくべきなのか、新時代の交通システムはどのようなコンセプトを重視すべきなのかといったことについて話し合っていただきたいと思います。

 まずは自己紹介を兼ねましてひとことお願いいたします」

坂井「私は2008年からITS(Intelligent Transport Sys- tems・高度道路交通システム)、自動運転、インフラ協調に関する研究、技術開発に取り組んできました。自動運転はオーナーカーの乗用車と移動サービスの車両の2種類があるわけですが、私は両方の分野に関わってきました。ベルギーへの赴任の際も交通システムの有り様を見てきましたが、本日ご用意いただいた雑誌(e-RIDE JAPAN)の写真を見ながら小型モビリティというのは確かにヨーロッパの街並みによく似合っていたということを改めて思い起こした次第です」

谷中「私は電気自動車の開発を中心とした仕事に取り組んできましたが、特に軽自動車未満の超小型電動モビリティの企画・開発を担当してきており、C+pod(シーポッド)、C+walkT(シーウォークティー)を発売させていただきました。都市交通システムの調査・開発にもたずさわってまいりました。パーソナルモビリティの分野では皆様のお仕事のお役に立てることもあるのではないかと考えております」

雨宮「私が所属している開発企画部というのは主として都市計画、エリアマネジメントの観点からまちづくりに関わっている部署です。都市開発にあたって地下空間の有り様とか環境対策とか総合的な問題に対して実践的な取り組みを行っており、情報発信なども努めております」

飯塚「私が所属しているデジタル・スマートシティ推進室は昨年できた部署で、自動運転を含めたスマート技術を駆使したまちづくりというものを企画・研究しています。私どもは移動手段がまちづくりのあり方を大きく変えると考えておりまして、そういった観点から自動運転に注目しています。最近では西新宿において自動運転を導入した社会実験を実施し、自動運転サービスについて調査・研究を進めました」

岩上「私が勤めています交通政策部都市再生室というのは官民連携、まちづくりと交通といったことをキーワードとした業務を行っています。その一環としてまちづくりの中で新しいモビリティをどのように活用していくか、移動手段をどうするのか、ウォーカブルなまちづくりと道路の再編をどうするのかといった幅広な検討を進めています」

浜田「申し遅れましたが、私自身のことも簡単に紹介させていただきます。私は昨年3月まで一般財団法人道路新産業開発機構というところでITSを導入したまちづくり、高速道路のETC開発などに取り組んできました。道の駅に対する自動運転サービスの導入といったことも手がけてきましたが、そうした活動の中で地方の人達の移動手段ということについていろいろ調査・研究を重ねてきました。地方の人達は新たな移動手段の開発というものに期待しています。本日、次世代モビリティについて話し合っていただくのもそういった地域の実情というものが背景にあります。

 それぞれの分野でご活躍されている皆様に私達がめざすべきモビリティと社会生活の有り様について議論していただきたいと思います。そして、本日の議論が次世代モビリティを活用したまちづくりの方向性、世界に提案できるくらいの交通システムづくりというものにつながっていく足がかりになれば大変うれしく思います。

 それでは具体的な話し合いに入りたいと思います。坂井さん、いかがでしょうか」

 INTERVIEW
アンドレア・ポンピリオ

「自転車専用道、駐輪場の整備・拡充など
オランダの自転車政策、まちづくり計画は素晴らしいです」

 オランダは世界をリードする自転車王国だ。自転車に対する価値観は極めて高く、自転車を大事に丁寧に使用する意識が国民の1人1人にしっかりと浸透している。国内に張り巡らされた自転車専用道路、鉄道の主要駅に整備された高機能駐輪場など自転車の利用環境は目を見張るものがある。

 そのオランダ自転車界の中枢組織であるDutch Cycling Embassyのルーカス・ハームズ理事長らが5月18・19日に東京ドームシティ・プリズムホールで開催される「BICYCLE -E・MOBILITY CITY EXPO」に来場する。在日オランダ大使のペーター・ファン・デル・フリート氏も来場を予定している。ハームズ理事長らは展示会場でオランダの自転車利用環境をテーマとする講演会、及びシンポジウムを実施する。

 Dutch Cycling Embassy来日の企画を推進しているラジオパーソナリティ・司会者のアンドレア・ポンピリオ氏にインタビューした。


 INTERVIEW
JOeB 代表取締役社長 松原 哲

F1テクノロジーを躯使し、世界で勝負!

 F1テクノロジーを注入したメイド・イン・ジャパンの電動アシスト自転車を世界に向けて発進する! 日本の自転車業界に絶えて久しかった活力ある構想が沖縄で甦り、現実化する。

 同構想を強力推進するのは2018年に発足した株式会社JOeB(本社・沖縄県那覇市、松原哲社長)だ。同社はすでに静岡県藤枝市に技術開発本部を設芭しており、2023年春から沖縄県うるま市の電動アシスト自転車OEM·ODM専用工場を稼働させる。

 ジャバンメイドの先進テクノロジーを駆使し、世界の自転車業界に挑戦状を叩きつけるJOeB。同社が2022年自転車業界の台風の目になることは間違いない。

 松原社長に独占インタピューした。


 INTERVIEW
日本環境防災代表取締役社長 本郷安史

「国、自動車メーカー、電力会社が一体となった充電インフラ整備はEV普及のマスト事項だ」

 サスティナブル社会の創造に向け、新たな分散型エネルギーシステムの普及推進は必須事項だ。世界で加速するEVシフトは、そうしたエネルギー変革期を象徴する激烈なうねりと言えるだろう。

 電気自動車普及の現在地と目指すぺき方向性は? 電気自動車のインフラ整備の現状と課題は? まちづくりにおける電動モピリティの役割は? 日本環境防災の本郷安史社長にインタピューした。


 シリーズ企画 商店街の駐輪場を考える。PART3
東京都足立区 「北千住商店街」

乗降客数全国5番目の北千住駅
日本有数のターミナル駅周辺で展開される人中心のまちづくり

 東京都の北東部に位置する足立区は人口約69万人を抱える特別区である。区内には発展著しい北千住駅を筆頭に竹ノ塚駅、西新井駅など24の鉄道駅があり、区営57ヵ所、民営約200ヵ所の駐輪場がある。自転車収容台数は区営が約2万5000台、民営が約3万7000台を数える。比率で言えば区営41%、民営59%だ。

 特筆すぺきは放置自転車台数の少なさで 令和2年に内閣府が行った調査では足立区駅前の自転車の放置率は0.4%と東京23区で最も低い数字を示している。ちなみに東京23区で最も放置率が高かったのは千代田区で、41%だ。地価の高低が駐輪場の整備に影響し、放置率の数字に反映されているようだ。

 シリーズ特集「商店街の駐輪場を考える。」の3回目は、足立区の北千住商店街の駐輪状況を取材した。


 シリーズ企画 モビリティ新世紀!
乗り物新時代・ビジネスシーンの“今”を追う。

 時代が猛スピードで変化していく中、各種乗り物の機能は日々進化を遂げ、移動手段にもさまざまな形態が創出しています。

 脱ガソリンの潮流はいよいよ本格化しており、パーソナルモビリティはこぞって電動化への道をひた走りはじめました。

 乗り物新時代を迎えた今、「BICYCLE CITY」は自転車のみならず、超小型EVをはじめとするさまざまな乗り物の最新情報を取り上げ、新たなモビリティが生み出すまちづくりの実態を追っていきます。

モビリティ新世紀におけるビジネスシーンの“今”に迫ります。


 BICYCLE-E•MOBILITY CITY EXPO 2022
 自転車•電動モビリティまちづくり博
BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2022
2022年5月18日(水)・19日(木)開催
オランダ大使、オランダ自転車界の要人が来場、熱き日蘭交流を展開

 「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2022~自転車・電動モビリティまちづくり博~in 東京ドームシティ・プリズムホール」は 5月18日(水)・19日(木)の両日、東京都文京区後楽1丁目の東京ドームシティ・プリズムホールで開催される。

 展示会の主力テーマは“自転車・電動モビリティを利活用したまちづくりの推進”で、新たな交通社会の創造、 環境未来都市の構築を目指したエキサイティングなイベントとなる。

 オランダのDUTCH CYCLING EMBASSY要人と在日オランダ大使を迎えての日蘭交流も今年の特筆事項だ。


SPECIAL REPORT 2022e-BIKE最前線
加速する“e”パワー

急成長する日本の電動アシスト自転車市場

 e- バイク・電動アシスト自転車が快走を続けている。経済産業省の自転車生産動態・輸出入統計、及び一般社団法人自転車協会車種別自転車統計によれば、日本国内市場におけるe- バイク・電動アシスト自転車の2021年総出荷台数は約124万台で、前年比約13%増の伸びを記録した。

 主力輸入先の中国が欧米市場への輸出を重視している影響で日本の自転車市場は品不足状態が続き、2021年自転車総出荷台数が689万2771台で700万台に届かなかったことを考えれば(2020年は717万7558台)、なおさらe- バイク・電動アシスト自転車の好調ぶりが光る。e-バイク・電動アシスト自転車は、まさに日本自転車市場の救世主的存在だ。

 高級・高機能路線のe-スポーツバイク、個性重視のレジャーバイク、安全機能に注力した子乗せ自転車など多彩な製品が百花繚乱のにぎわいを見せているe-バイク・電動アシスト自転車市場──。世の中のEVシフトに呼応するかのように日本の自転車市場もさらに大きく、本格的な電動化への傾斜を強めている。

 製品自体の技術革新はもとより、IT・AIを導入した利用形態の進化も顕著で、自転車ワールドは新たな地平に突入した。


最新号コンテンツ
巻頭提言
自転車愛の国、オランダ
特別座談会 次世代モビリティ普及の条件
人は新時代のモビリティ、交通システムに何を求めているのか。
──まちづくりと次世代モビリティ、自動運転システムの可能性を展望する──

出席者
  • 国土交通省道路局道路交通管理課 高度道路交通システム(ITS)推進室長
     坂井康一
  • トヨタ自動車株式会社 トヨタZEVファクトリーZEVB&D Labグループ長
     谷中壯弘
  • 三井不動産株式会社 開発企画部環境創造グループグループ長
     雨宮克也
  • 大成建設株式会社 都市開発本部新事業推進部デジタル・スマートシティ推進室長
     飯塚卓爾
  • パシフィックコンサルタンツ株式会社 社会イノベーション事業本部交通政策部 都市再生室室長
     岩上智裕
  • 司会 パシフィックコンサルタンツ株式会社 プロジェクトイノベーション事業本部顧問
     浜田誠也
INTERVIEW
「自転車専用道、駐輪場の整備・拡充などオランダの自転車政策、まちづくり計画は素晴らしいです」
 アンドレア・ポンピリオ ANDREA・POMPILIO

F1テクノロジーを駆使し、世界で勝負!
 JOeB代表取締役社長 松原哲

「国、自動車メーカー、電力会社が一体となった充電インフラ整備はEV普及のマスト事項だ」
 日本環境防災代表取締役社長 本郷安史

シリーズ特集 商店街の駐輪場を考える
Part-3
東京都足立区北千住商店街

美しく、犯罪のないまちづくりを推進してきた足立区

カギかけ義務化キャンペーンを実施

シリーズ企画 モビリティ新世紀!
自乗り物新時代・ビジネスシーンの“今”を追う。
東海技研/ALL BIKES JAPAN
パーキング進化論 ②
新明和工業 自動運転車の自動入出庫技術を確立

 車両誘導システム、自動バレーパーキングの実験にも成功
BICYCLE-E•MOBILITY CITY EXPO 2022
 自転車•電動モビリティまちづくり博
2022年5月18日(水)・19日(木)開催
オランダ大使、オランダ自転車界の要人が来場、日蘭交流を展開
クローズアップ
南魚沼市(新潟県) 自転車を活用したまちづくりを推進する南魚沼市

 注目のGolden Cycle Route(GCR)、広域連携で誕生した全長185kmのサイクリングコース


オートクラフト・IZU おもしろ自転車夢工房

 子供から大人まで、誰もが楽しめる魅力いっぱいのレジャーサイクルを製作


BAFANG 世界に羽ばたくグローバルカンパニー

 電動アシスト自転車の駆動システムで国際市場を牽引


現地レポート 第16回明治神宮外苑大学クリテリウム
中村龍吉(中央大)激走V

女子は川口うらら圧勝(日本体育大)

シリーズ戦年間総合優勝は中島渉(立教大)

SPECIAL REPORT 2022e-BIKE最前線
加速する“e”パワー

 急成長する日本の電動アシスト自転車市場
連載・読み物・情報
  • 新自転車を眼鏡にして世の中を見る 小林 成基
  • 連載トーク「自転車交通を考える」 亘理 章
  • バイシクルシティ・ニッポンを目指して
                    片岡 大造
  • 晴走雨読 疋田 智
  • 日米欧の自転車政策概論 古倉 宗治
  • ニッポンの自転車、ココが足りない 内海 潤
  • 提言24時 前野 博司
  • 自転車ヒストリア 谷田 貝一男
  • 自由平原 高木 啓司
  • 新・こちらドクターカー 富和清訓
  • News & Information
  • EVは文化。 沖 一幸
  • 奥付・広告索引