年頭所感
街中を走るモビリティは最新テクノロジーで変革を重ね、
IT・電動化によってコネクテッドし、
補完し合いながらまちづくりの中で進化していく。
 電動化、自動化、コネクテッド、シェアリングの技術革新は加速度的に進み、 自動車業界には100年に1度の大変革期が到来したと言われている。 クルマに投入される技術はもとより、クルマの利用形態、利用環境、社会構造にも新たなテクノロジーが導入され、 クルマのみならずモビリティ社会全体が大きな転換期を迎えているのだ。
 安全で機能的、便利で快適なモビリティとは? モビリティを動かす動力源の選択は?  移動手段の変化・変革は人間社会に何をもたらすのか? 人間社会が目指すべき移動手段の有り様とは?  これまで可とされてきた物事への信頼性が激しく揺らぎ、新たな答えを模索する現代社会。 我々に突きつけられた問いは極めて根源的なものだ。
 本誌が主力テーマとしてきた自転車もモビリティの一翼を担う乗り物だが、その役割は年々大きさを増しているように思う。 電動自転車に代表されるような進化モデルが登場していることも自転車の評価を高めている要因だが、何よりも〝足で漕ぐ〟 ことを基本とする乗り物であるという特質が自転車の価値を多くの人達に再認識させている抜本的要因ではないだろうか。 もちろん、それは健康保持、体力増強という観点に照らし合わせての評価である。
 いずれにせよ、今、乗り物の世界が大変革期を迎えているとするならば、 乗り物界における永遠のベストセラー的存在である自転車も移動手段を担う乗り物として その存在価値を高らかに主張してもいいはずだ
 自転車、バイク、3輪車、小型EV、電気自動車······。街中を走るモビリティは最新テクノロジーで変革を重ね、 IT・電動化によってコネクテッドし、それぞれの特長、利点で互いを補完し合いながらまちづくりの中で進化していく。 新たなパーソナルモビリティの誕生も大いに期待できるだろう。 そして、その課程においてより便利で快適、健康的な移動手段、交通社会が形成されていくに違いない。
(本誌・高木賢)

 EV最前線
SDCC(スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ)構想を推進
トヨタのウーブン・シティと連動した未来志向のまちづくり
裾野市 髙村謙二市長に聞く
 2020年1月7日、アメリカ・ラスベガスで開催された世界最大規模のエレクトロニクス見本市「CES2020」において、 トヨタは静岡県裾野市に「Woven City(ウーブン・シティ)」を建設することを発表した。 人々の暮らしを支えるモノやサービスがインターネットでつながることで生まれる新たな価値、ビジネスモデル。 世界のトヨタが明らかにした革新的な構想だ。
 裾野市がトヨタの未来都市構想に沸き返ったのは当然のことで、同市はウーブン・シティ建設に呼応し、 SDCC(スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ)構想を立案し、 〝持続可能な田園未来都市すその〟の実現へ向けて大きく舵を切った。
 快適、安全で機能的な移動手段の構築。モビリティレボリューションの推進─。裾野市の髙村謙二市長にインタビューした。

 EV最前線 短期連載2
 超小型モビリティの可能性
「まちとまち、人と人をつなぐ超小型モビリティ」

 前号に引き続き、浜田誠也氏にインタビューした。同氏は「超小型モビリティの可能性」について多岐にわたる考察を語ってくれたが、 とりわけ強調したのはゾーン別移動手段の構築だ。人々が安心して暮らせる、シームレスに移動できるまちづくりを目指す中で 超小型電動モビリティの活用を考えていくべきだとする持論には説得力がある。

 浜田氏は地域の特性に適合したまちづくりを推進していくには国、地方自治体のビジョン、実行力、 さらには官民協働体制の構築が不可欠であることも力説した。

 短期連載インタビュー「超小型電動モビリティの可能性」の第2弾をお届けしたい。


 EV最前線 Interview
EVシフトを追い風に!
「COMSは人に、地球に優しいクルマ。EV時代の中で確固たるニーズをつくっていきます」

 トヨタ車体(本社・愛知県刈谷市、増井敬二社長)は、超小型EV「COMS(コムス)」のさらなる普及を目指す。

 人に、環境に優しい超小型電動自動車「コムス」は発売以来、次世代モビリティとしてさまざまな話題を提供してきたが、 2代目モデルは2022年7月で発売10周年を迎える。EVシフトが加速する中、節目の年に突入した「コムス」─。 トヨタ車体は2021年3月に発足させた「コムス」専用の新設部署「ZEM」を拠点として、新たな仕掛けを展開していく構えだ。

「ZEM」のチーフエンジニアを務める浅原広宣氏、「ZEM」主担当員の加藤秀人氏にインタビューした。


 EV最前線 Special Interview
乗り物改革の時代を牽引する シェアシステム構築に全力投球

デジタル化の推進でサービス体制を強化・拡充

 分野、カテゴリーを問わず、あらゆる業界で注目されるのはリーディングカンパニーの存在だ。 牽引者の志、スタンス、業績がその業界の方向性を大きく左右することは間違いない。 日本のシェアサイクルが本格的に普及していくのか否かを展望する時、注視すべきは やはりドコモ・バイクシェアの動向だろう。

 2020年度に黒字化を果たした同社はさらなる飛躍を期し、新たなサービス体制の構築に注力中だ。 代表取締役社長に就任して半年が経過した武岡雅則氏に2022年ドコモ・バイクシェアの目標と活動方針、 そしてシェアサイクル業界の展望を聞いた。


 パーキング進化論
パーク24 時代に先駆けて展開してきた「パーク&チャージ」
EV シフトが加速する中、注目されるパーク24の動向

 長引くコロナ禍は日本経済を直撃し、厳しいダメージを与えている。 駐車場業界も例外でなく、業界トップのパーク24(本社・東京都品川区、西川光一社長)も2021年10月期決算では 2期連続の減収減益を余儀なくされた。しかしながら移動制限の解除とともに、昨年後半からはサービスの稼働は回復基調にある。

 24時間無人時間貸し駐車場「タイムズ」を展開するパーク24の先進的取り組みは定評あるところで、 EVシフトに対応するパーク&チャージの動向が注目される。

 同社経営企画本部コーポレートコミュニケーション部・渡邉倫也氏、同モビリティ研究所東日本グループ・三輪輝氏にインタビューした。


 BICYCLE-E•MOBILITY CITY EXPO 2022
 自転車•電動モビリティまちづくり博
BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2022
2022年5月18日(水)・19日(木)開催
時代はまさに乗り物の大変革期。新たなビジネスチャンスを展望する!

 「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2022~自転車・電動モビリティまちづくり博~in 東京ドームシティ・プリズムホール」は 5月18日(水)・19日(木)の両日、東京都文京区後楽1丁目の東京ドームシティ・プリズムホールで開催される。

 展示会の主力テーマは“自転車・電動モビリティを利活用したまちづくりの推進”で、新たな交通社会の創造、 環境未来都市の構築を目指したエキサイティングなイベントとなる。


最新号コンテンツ
年頭所感
街中を走るモビリティは最新テクノロジーで変革を重ね、 IT・電動化によってコネクテッドし、補完し合いながらまちづくりの中で進化していく。
EV最前線
裾野市—髙村謙二市長に聞く
—SDCC(スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ)構想を推進—

短期連載
—超小型電動モビリティの可能性② 浜田誠也

トヨタ車体
—「COMSは人に、地球に優しいクルマ。EV時代の中で確固たるニーズをつくっていきます」

アクテック
—画期的構造の電動アシスト四輪自転車「いーちゃりかー」

テムザック
—話題の“乗れるロボット”「RODEM」

ENECHANGE
—注目の充電ステーション as a Service「エネチェンジEV充電サービス」

クール・ネット東京
—EV、PHV、FCV、EVバイクが安く買える!「ZEV補助金制度」を実施

aidea
—世に問うジャパンメイドモデル電動3輪車「AA-Cargo」

Special Interview
ドコモ・バイクシェア 武岡雅則代表取締役社長

 乗り物改革の時代を牽引するシェアシステム構築に全力投球
 デジタル化の推進でサービス体制を強化・拡充
パーキング進化論 ①
パーク24 時代に先駆けて展開してきた「パーク&チャージ」

 EV シフトが加速する中、注目されるパーク24の動向
シリーズ企画 モビリティ新世紀!
自乗り物新時代・ビジネスシーンの“今”を追う。
垂直二段式ラック/JFEエンジニアリング/大寅/アイキューソフィア /日本シェアサイクル普及協会(ヴェリブ・ジャポン)/トースト17bicycle事業部 /NOAA/タートルプランニング/次世代自動車振興センター/CHAdeMO協議会/e-Mobility Powe
BICYCLE-E•MOBILITY CITY EXPO 2022
 自転車•電動モビリティまちづくり博
2022年5月18日(水)・19日(木)開催
時代はまさに乗り物の大変革期。新たなビジネスチャンスを展望する!
バイシクルパーキング・オブ・ザ・イヤー
 2021駐輪場グランプリ
応募締め切り2022年2月10日

連載・読み物・情報
  • EVは文化。 沖 一幸
  • 新自転車を眼鏡にして世の中を見る 小林 成基
  • 連載トーク「自転車交通を考える」 亘理 章
  • バイシクルシティ・ニッポンを目指して
                    片岡 大造
  • 晴走雨読 疋田 智
  • 日米欧の自転車政策概論 古倉 宗治
  • ニッポンの自転車、ココが足りない 内海 潤
  • 提言24時 前野 博司
  • 自転車ヒストリア 谷田 貝一男
  • 新・こちらドクターカー 富和清訓
  • 自由平原 高木 啓司
  • EVシフトで変貌を余儀なくされる日本の自動車産業界 前野博司
  • 大地の風 石塚裕也
  • News & Information
  • 奥付・広告索引