巻頭提言
EV、電動化、MaaS、シェアリング、
多様化、コネクトする移動手段······。
カーボンニュートラルの潮流の中、
モビリティ新世紀の新たな動きが加速している。
 約2年に及んだ日本国内における新型コロナの感染状況も、ようやく収束の気配が強まってきた。 世界全体を見れば感染拡大は続いており、日本も決して警戒を緩めるわけにはいかないが、 収束への手がかりが見えてきたことは確かで、次なるステップへの動きが本格化していくはずだ。
 大きく傷ついてしまった社会・経済をいかに立て直すか。復活、そして新たな発展への道筋をどのように描いていくのか。 我々に課されたテーマは重いものがあるが、ここは踏ん張りどころであり、慎重さとポジティブ思考を両立させていくしかないだろう。
 本号では自転車関連の情報収集に加え、超小型電動モビリティに関する動きに取材網のウイングを広げ、 モビリティ新世紀の進展を視野に入れながら新たなまちづくりの方向性を追った。
 現代の社会・経済は急速に変化・変革の度合いを強め、モビリティを使った移動手段、生活システム、 暮らしのスタイルも大きな転換点を迎えている。 脱ガソリン、カーボンニュートラルの潮流の中で世界の自動車産業はEVへの傾斜を一気に強め、 新たなビジネスへの方向性を模索している。EV、自動運転、MaaS、シェアリング、コネクティッドカー、移動手段の多様化、インフラ整備······。 日本のモビリティワールドにも新たな価値観に裏打ちされたシナリオが求められているのは必然の流れだ。
 もちろん、日本、そして世界の自転車界もそうした社会・経済の大きなうねりの中で動いているわけだが、 環境問題の高まりが強力な追い風になっていることは周知の通りだ。 排ガスを出さない健康的な乗り物である自転車が新たな普及拡大への道を歩んでいるのは当然の展開であり、 新技術を投入した電動アシスト自転車への支持が急速に広がっていることもごく自然な動きだ。
 モビリティ新世紀は移動手段のカテゴリーが複層的に交錯する、絡み合う、コネクティッドする。 電動化への傾斜を強める自転車が、モビリティ新時代のダイナミズムの中で独自のポジションを築き、 次世代のまちづくりにおいて貴重な役割を演じていくことは間違いないだろう。
 本誌はモビリティ変革の動向を注視し、まちづくりの方向性を探っていく。
(本誌・高木賢)

 短期連載 超小型電動モビリティの可能性
「まちとまち、人と人をつなぐ超小型電動モビリティ」
バシフィックコンサルタンツ株式会社プロジェクトイノペーション事業本部顧問
浜田誠也
 脱ガソリン、カーボンニュートラルへの動きが加速し、交通システムの変革が着実に進展している。 そんな状況下、超小型電動モビリティ、小型EVは生活空間の中での有効な移動手段として注目度を高めている。
 本誌は超小型電動モビリティの現在地、普及拡大への可能性、解決すべき課題、今後の展望などについて パシフィックコンサルタンツ(株)プロジェクトイノベーション事業本部顧問の浜田誠也氏に質問した。
 浜田氏が一般財団法人道路新産業開発機構のプロジェクトマネージャー、審議役として高速道路のETC導入、 次世代モビリティと道路空間の整備に注力してきたことは周知の通りだ。 超小型電動モビリティの実情と可能性を日本で最も把握する立場にあった同氏の見解を短期連載のかたちで紹介することにした。

 緊急座談会
FC、それは未来に向けた挑戦だ!
官・学・民の強カタッグで水素燃料電池の普及促進へ
東海技研、燃料電池搭載のシェアサイクル開発に注力

 「BICYCLE CITY」はFCyFINEの施設見学会の後、山梨大学燃料電池ナノ材料研究センターで緊急座談会を開催した。

 時間制約を設けた中での討議ではあったが、参加者は水素燃料電池研究・活用の重要性 現在進行形の取り組み、 今後の展開について真摯な意見交換を行い、官・学・民連携による事業拡大の展望を語り合った。 とりわけ議題の主軸を成したのは水素燃料電池を採用したシェアサイクルの展開、駐輪場の機能拡 大といったテーマで、 水素燃料電池と自転車ワールドの親和性が改めて確認された。

 水素燃料電池システムが自転車界にエポックメーキングをもたらし、世の中を利目させる成果を上げることを期待したい。


全文はこちらに掲載

 Interview FOMM 鶴巻日出夫 代表取締役社長
入魂の超小型電動モビリティ 「FOMM ONE」
水の中でも推進力を発揮する話題の独創モデル

 First One Mile Mobility。近距離移動に適合した超小型電動モビリティのコンセプトを象徴するフレーズである。 FOMM(本社・神奈川県川崎市幸区、鶴巻日出夫社長)の社名は同フレーズの頭文字をつなぎ合わせたもので、 同社の超小型電動モビリティにかける信念がストレートに伝わってくる。

 入魂の超小型電動車「FOMM ONE」、そして同社の開発スピリットについて鶴巻社長にインタビューした。


 現地レポート
タケオカ自動車工芸 超小型EVに懸ける!
Milieu R (ミリューアール)、Lala (ララ)など
独自モデルを世に問う反骨のメーカー

 昨今、ローカルエリアにおける公共交通網の減少、高齢者の免許返納などに伴う移動手段の逼迫が問題視されることが少なくない。 人の移動が情報ネットワーク構築のペースとなり、地域住民の暮らしに楽しみをもたらし、地域経済の活性化につながるものだとすれば、 交通手段の確保はきわめて大切なことだろう。

 遠方への移動ではなく、地域社会での移動を円滑に行える乗り物は必要にして不可欠なものだ。 そんなテーマを視野に入れ、ひたすら超小型EVの開発に取り組んできたメーカーがある。 富山市のタケオカ自動車工芸(本社・富山県富山市安養寺504-1、武岡栄一社長)だ。

 同社の本社工場を訪ね、オンリーワンモデルにかけるエンジニアスピリットに迫った。


 シリーズ特集 商店街の駐輪場を考える Part2
商店街は街の特色、活力をはかるバロメーター。
商店街の放置自転車対策は自転車行政のリトマス試験紙だ!

 シリーズ企画 モビリティ新世紀!
乗り物新時代•ビジネスシーンの今を追う。

 時代が猛スピー ドで変化していく中、各種乗り物の機能は日々進化を遂げ

移動手段にもさまざまな形態が創出しています。

 脱ガソリンの潮流はいよいよ本格化しており、

パーソナルモビリティはこぞって電動化への道をひた走りはじめました。

 乗り物新時代を迎えた今、「BICYCLE CITY」は自転車のみならず、

超小型EVをはじめとするさまざまな乗り物の最新情報を取り上げ、

新たなモビリティが生み出すまちづくりの実態を追っていきます。

モビリティ新世紀におけるビジネスシーンの“今”に迫ります。


 新連載 EVは文化。
ヨーロッパの新たなEVの波は、1980年代から始まっていた。
沖 一幸

最新号コンテンツ
巻頭提言
EV、電動化、MaaS、シェアリング、
多様化、コネクトする移動手段······。
カーボンニュートラルの潮流の中、モビリティ新世紀の新たな動きが加速している。
短期連載
超小型電動モビリティの可能性① 浜田誠也

「まちとまち、人と人をつなぐ超小型電動モビリティ」
現地レポート
〝FC 研究〟最前線
 山梨大学・FCyFINE(水素社会に向けた「やまなし燃料電池バレー」の創成)の現況と展望に迫る。

CAMERA EYE

緊急座談会
 FC、それは未来に向けた挑戦だ!
 官・学・民の強力タッグで水素燃料電池の普及促進へ東海技研、燃料電池搭載のシェアサイクル開発に注力
Interview
FOMM 鶴巻日出夫代表取締役社長

 入魂の超小型電動モビリティ「FOMM ONE」
 水の中でも推進力を発揮する話題の独創モデル
現地レポート
タケオカ自動車工芸 超小型EVに懸ける!

 Milieu R(ミリューアール)、Lala(ララ)など独自モデルを世に問う反骨のメーカー
シリーズ特集
  商店街の駐輪場を考える Part-2
商店街は街の特色、活力をはかるバロメーター。
商店街の放置自転車対策は自転車行政のリトマス試験紙だ!

東京都葛飾区
 〝葛飾モデル〟創造へ!! 
 「サイクル&バスライド」など独自の自転車政策を推進

神奈川県・藤沢駅周辺
 商業都市、観光都市、文教都市、ベッドタウン……。
 多彩な顔を持つ藤沢市の自転車対策に迫る。
シリーズ企画
モビリティ新世紀!
自乗り物新時代・ビジネスシーンの“今”を追う。

イベンタス/シェアード・モビリティ・ネットワークス/NOAA/ハイパーエナジー /神奈川県道路公社/アドベンチャーエイド/信号器材/出光タジマEV/ タートルプランニング/WHILL/CYCOO JAPAN/トップ・サイトロンジャパン
BICYCLE-E•MOBILITY CITY EXPO 2022
 自転車•電動モビリティまちづくり博
次世代型交通システムの方向性を展望
自転車、EVなど多彩な小型電動モビリティが集結
バイシクルパーキング・オブ・ザ・イヤー
 2021駐輪場グランプリ
応募締め切り2022年2月10日

e-BIKE NEW WAVE
115 ピックアップ! ニューモデル(電動バイク)
モータリスト合同会社/川崎重工/eBikeR/Click Holdings/Acalie/プロト/イノベーション碧/PELTECH
連載・読み物・情報
  • 新自転車を眼鏡にして世の中を見る 小林 成基
  • 連載トーク「自転車交通を考える」 亘理 章
  • バイシクルシティ・ニッポンを目指して
                    片岡 大造
  • 晴走雨読 疋田 智
  • 日米欧の自転車政策概論 古倉 宗治
  • ニッポンの自転車、ココが足りない 内海 潤
  • 提言24時 前野 博司
  • 自転車ヒストリア 谷田 貝一男
  • 自由平原 高木 啓司
  • 新連載 EVは文化。 沖 一幸
  • News & Information
  • 奥付・広告索引